Google の素晴らしいイベントである Google I/O 2019 に参加してきた。 参加したセッションそれぞれは別に書くとして、この記事はイベントの全体的な感想について。
機械学習
サンドボックスで展示されていた TPU ポッドの実物。
目立ったトピックとしては
- MLKit
- AutoML
- TensorFlow Lite
- TensorFlow 2.0 alpha
あたり。今年は機械学習関連のセッションが多かったと思う。
キーノートでも触れられていたが「AI Is Everywhere」ということで、モバイル・IoT 向けの TensorFlow のセッションが多かった。
TensorFlow だけでなく、MLKitや TensorFlow Lite のようにモバイルでの利用を考えるもの、 IoT 向けのものなど、モデルを作るよりもモデルをどう使うかという話が多かったと思う。
IoT 関連の話だと Coral が紹介されていて、セッション中で紹介されたデモではマイコンで画像認識をしていた。 あと mbed コミュニティを支援していくらしい。mbed が出てきたはちょっと意外
Google のプラットフォームでは誰でも楽に機械学習ができるようになるので、巨人の背に乗っているのか巨人に踏み潰されているのかわからない状況だ。 使うのは簡単になる反面、Google レベルの ML サービスを自前で用意使用となるとかなり厳しくなるか。
ML を使う場合の Material Design のガイドラインも発表されてたし、 ML を使ったサービスがもう当たり前になってくるようになるのかも。
Android
Android の主だったトピックとしては:
Jetpack など Android に関する大きな発表のあった 2018 年に比べるとセッション数はだいぶ少なくなった。 とはいえそこそこの数のセッションがあったし、変更は色々ある。
またセッションで使われていたコードはほぼ Kotlin で Java のコードはほとんどみなかった。 Kotlin がほぼ前提になっているので、Kotlin に関するセッションは却って少なかったかも。 デベロッパーキーノートでも言及されていたが Kotlin ファーストが継続されている感じ。
あとすごいどうでもいいが「Q」に引っ掛けたジョークが度々あった。than"k you" とか。
セキュリティ・プライバシー
Android Q では Role や Shared Stroage の変更などあり、セキュリティ・プライバシ関連の変更がそこそこあった。
他にも
ところでキーノートの際にはこういう抗議活動が行われていたらしい。
Google I/Oの会場上空に飛行機による抗議のバナー広告が出現 | TechCrunch Japan
キーノートに集中していたので全然気が付かなかった。なんか飛行機とかうるさいなと思ったのでそれだったのかもしれない。
Kotlin
Kotlin ファーストということで、セッション中で紹介されていたコードはほぼ Kotlin だった。 Kotlin 前提なものが増えたおかげか、Kotlin の名前を冠したセッションはかえって少なくなってたかも。
Flutter
Flutter 関連の発表ではあまり大々的な発表はなかったが、Web 対応があったのは大きいか。 また Dart 自体についても Nullable 型対応・拡張関数など言語の拡張がこれからはいるとのこと。
ハードウェア
今年はハードウェアの発表は事前にリークされてたものが中心で、それほど物自体に驚きはなかった。 発表されたのは Pixel 3a と Google Nest。驚いたのは日本でも購入ということで、日本人タイムラインは結構反応していた。
後 Chromebook の発表もいつくかあった。特に押されていたのが Linux 対応で、これはIntel の Day 0 パーティでも紹介されており Chromebook 推しが結構強かった。 Linux も使えるとなると、やっぱり 1 台もっておきたい。
あと今年はハードウェアのお土産はなかったっぽい。お土産的な意味ではハズレの年だったのかも
AR
会場では AR の存在感がかなりあった。 キーノートでも大きくアピールされていたし、 Google I/O アプリでも ARCore をつかった案内とかもあった。 (これは自分は体験できていない。持っていった端末が対応していなかった。)
あと Google アップでの AR 表示によるガイドもこの日から一部の人に解放されたらしい。 ローカルガイドのレベル 6 も対象に入っているようで、自分も有資格者だったらしい。 残念ながら手持ちのスマホが対応していないので実際の動作は未確認。
サンドボックスでの AR 展示もおもしろかった。 一部キーノートで発表されてた検索結果の AR 表示も体験できたので満足度高い。
Sandbox
今年の Sandbox は 8 つ。
デモの中では日本の田舎での導入事例があったのが印象的だった。 田舎の自治体でお年寄り同士のスケジュールなどに Google Assistant を利用していた。 確かにコンピュータに弱い人には音声認識がありがたいかもしれない。
CodeLab
例年通りかなり盛況していた。
今年は 4 つコースを完了すれば来年の invitation code がもらえるようになった。 昨年は 3 つだったので少し増えたことになる。
自分は 2 日目の昼頃に少し列が少なくなったのを見計らって参加。 TensorFlow のコースを中心にチャレンジしてみた。 やっぱり周りに Googler の人がいると質問しやすいので心強い。
参加まで
2 月末の抽選では落選したので、今年の Google I/O 参加はないものと思っていたが、 Google I/O 2018 の Codelabs で手に入れた invitation code が使える通知が 4/19 に来た。
invitation code を受け取ってから開催までかなり時間がないので、準備がいろいろときつい部分はある。 次回の invitation code は誰かに譲ってしまっていいかも
Google I/O の経費としては
- Google I/O チケット 130,000 円
- 航空券 100,000 円 (サンノゼ発着)
- ホテル代 70,000 円 (サンタクララあたり)
- 現地の交通費 5 ドル (バス 2.5 ドル * 2)
の大体合計 300,000 円。 実際には Intel の Day 0 パーティーにも参加してきたので、その分の Uber 代もかかっている。
直前なので航空券代が高いは仕方ないとして、ホテル代がやっぱり高い。 毎度同じホテルに泊まっているが年々料金が上がり続けている。 安く泊まるならおそらくサンフランシスコで、ホステルなどが利用できるとかなり安くなりそうではある。もしかしたら AirBnb もいいかも。 ただしサンフランシスコ泊の場合は Google I/O 会場から離れているため(シャトルバスで 1 時間 15 分程度)朝早くのセッションを観るのは苦労するかもしれない。
飛行機もサンフランシスコ空港を使ったほうが、直行便があるので楽になる。 ただやはりサンノゼ空港の方が会場には近い。どちらを選ぶかは予算とスケジュール次第か。
その他
I/O ストア。今年も結構散財した。
今回も食事はよかった。
前回も思った事だが体一つでは全然みたいものをカバーできない。
Android テーマに限ったとしても、同じ時間に行われるセッションがあったりするので、まずみたいもの全てをカバーすることはできない。 Google I/O 参加してもしなくても、日本で行われる参加報告会には参加するのは悪くないと思う。
後はこの期間だけ Youtubeプレミアム契約しておいて帰りの飛行機内でセッションを見て復習するようにしておくといいかもしれない。