「まつもとゆきひろの言語のしくみ」を読んだ
まとめ
- Pros
- Cons
- 教科書的な内容の本ではない
- 理論的,網羅的ではない
C
言語を使用しているので、使ったことがない人にはつらいかも
- 教科書的な内容の本ではない
メモ
ようやく読んだので読書メモなど。
この本は元々は連載されていた記事を本にまとめなおしたもので、 Streem という新言語の設計と実装を追いながらインタプリタの仕組みを見ていく内容になっている。 それもあってこの本だけでコンパイラに関するすべての点をカバーするのは難しい。
本書で紹介されている内容で目についたのは次のようになる: - 言語処理系 - バーチャルマシン - Streem の設計と実装 - オブジェクト指向 - ガーベージコレクション
このようにコンパイラの入門としてはいろいろ足りない部分が多いが、 Streem 言語で実際に検討・実装されたテクニックが紹介されているので読み物としては面白い。 むしろ Streem 言語に興味がある人向けの本なのかと思う。 一方であまり理論的な部分にはそれほど触れられていないので、 物足りない部分も多々あった。
他個人的に気に入ったトピック: - 言語を作るモチベーション - NaN Boxing
言語を作るモチベーション
言語を作るモチベーションとして紹介されていた - プログラミング能力の向上 - デザイン能力の向上 - 自己ブランド化 - 自由の獲得 - 楽しい
NaN Boxing
NaN Boxing は浮動小数点数をオブジェクト表現に流用するテクニックで、 IEEE754 での NaN の仮数部が 0 以外であればよいのを利用しそこに値を詰め込む。 このテクニックは知らなかったので素直に驚いた。